個展のチラシがようやくできました

数年前に、中世日本の「聖界」と「俗界」が出会う場所としての「辺界」をテーマに、《境界》というタイトルの曲を書いたことがありますが、それ以来「境界」が『輪郭主義』シリーズ以降の自分の作品のコンセプトなのではないかと気になっている部分があります。なにしろ「境界」というのは二つの異なる領域が接する場所であり、それでいて区別させようともしている、という二つの相反する力が作用する「界」と考えることができます。そこでは「分ける」という意識的な機能を持つと同時に、それ自体が強い反発あるいは衝突のエネルギーを呼び起こしている、ともいえるかもしれません。そう考えると、「境界」というのは、聴覚を歪める作用がある私の好きな「4分音のぶつかり」のメタファーとして、わりとピッタリの概念なのではないか、という気がするのです。

そんなことなどを考えながら、だらだらと作ってきた11月6日の個展のチラシがようやく完成しました。

すべて4分音を重要な要素として用いた、初演2曲を含む近年の作品からなるプログラムです。ただしピアノの音を歪めるという趣旨の『輪郭主義』シリーズはここには含めなかったため、今回はピアノを用いません。

初めての「まともな」映像作品《讃歌》を上演予定です。この作品は2022にサックスとサウンドトラックのための映像なしライブ作品として初演されましたが、当初から映像版も作る構想で、今回それがはじめて上映公開される予定です。

個々の作品については、本番までに追々書き足していく所存です。

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