《延ばされた円舞者》が広島で再演されます
Extended Waltzer for alto saxophone solo will be performed at Hiroshima, on 7th & 8th September, 2018 by Kazuya Kato.
広島在住のサクソフォン奏者、加藤和也さんがリサイタルをされます。去年彼の委嘱でアルト・サックスのソロ曲を書かせていただきましたが、その曲が9月に2回再演されます。
加藤和也サクソフォンリサイタル《KAN MAN HØRE TIDEN (時間に耳を傾ける)》
2018年9月7日 (金)18:30
エリザベト音楽大学ザビエルホール
2018年9月8日 (土)14:00
ギャラリー交差 611
天野 知亜紀:メイ・ストーム for alto saxophone and electronics (改訂版初演)
岩本 渡:The Busker – Synesthesia II for alto saxophone solo or with electronics and images (2017)
川上 統:大透翅 for alto saxophone solo (2018)
寺井尚行:賑やかな過去が空間を凌駕する時間 for alto saxophone and electronics (2017)
徳永 崇:Autopoietic Time (初演)
藤田 将弥:現実への手順 (初演)
久留 智之:AVAZ CALLIGRAFICO for tenor saxophone solo (2017/2018)
山本 裕之:延ばされた円舞者 for alto saxophone solo (2017)
デンマークで勉強された加藤さんは、帰国後は出身地の広島で美術等のコラボなど幅広い活動を展開しています。個人的に面白いと思うのは、加藤さんに東京志向がなく(ないように見える)、自分の周辺で無理なく面白いものを探ろうという姿勢です。加藤さんは偶然ですが愛知ともつながりがあるので、今回のプログラムは愛知と広島の若手も含めた作曲家(これまで加藤さんが委嘱してきた作品)が中心となっています。
《延ばされた円舞者》について。これまで長年付加リズム的な時間の作り方をしてきましたが、「歪んだワルツ」をどう人工的に作り出すかという考えた時に、等拍節(周期的)リズムに付加(減算)リズム的な操作を加えようと思ったのが本作です。つまり周期的な枠の中で足し算や引き算を少しずつ加えていくという方法です。実際はワルツの三拍子がかなり引き延ばされているので、積極的に聴き取りに行かないとワルツ的な周期リズムはよく分からないのですが。