《テクスタイル・テクスツ》の日本初演とシュトラウス2世の編曲(+α)

かなり強いチラシが届きました。ヴァイオリン、クラリネット、ユーフォニアム、アコーディオンというこれまた強い(?)編成のアンサンブルにて、何曲か関わらせていただいてます。

まず《Textile Texts》の日本初演。22年前にイギリスのマンチェスターで初演されたきりでしたが、ようやく日本で日の目を見ます。

この実演には立ち会ってません。9.11でアメリカが激怒、アフガニスタンに侵攻したちょうどその頃に初演が行われ、渡英したくてもできなかったのです。Kate Romano (clarinet) とBridget Carey (viola) 両氏によって初演され、録音は手元にあるのですが、そもそもどんなコンサートだったのか……さえもよく分かりません。当時先方に送ったプログラム・ノートを読み返すと、


「テクスタイル・テクスツでは、クラリネットとヴィオラによる 2 種類の繊維が複雑に絡み合うように織り込まれている。少し離れたところから見ると、糸1本1本の個性から意外な柄が見えてくる。」


と書かれていて、うん、確かにそのようなことを考えて書いたな、という記憶が明白に思い出されました。私が現在に至るまでよく使うホケトゥスの技法を中心に、互いに音がシフトし合いながら5分弱の「柄」が視えてくると思います。間近で聴くと、微妙な距離感と音色の違いが立体的に聴かれるはずですが、それをようやく自分の耳で確かめられる日が来たようです。長生きはするもんですね。

シュトラウスII世の二つのポルカ《クラップフェンの森で》と《ハンガリー万歳!》。もともとこの作曲家に強い関心はなかったのですが、数年前に音楽クラコ座のために3曲編曲したことがあります。その流れか何かで今回はこの不思議な編成のために2曲選んで編曲しました。こちらは初演になります。

《クラップフェンの森で》は森の中でカッコウが鳴く模倣があり、これをどの楽器がどのようにやるのかにご注目。《ハンガリー万歳!》はポルカ・シュネル(速いポルカ)という種類のもので、ウィーン人から見たマジャール族の民族スピリッツ満載です。

そしてチラシには書かれていないので本当はここに書かない方が良いのかもしれませんが、もう一曲、脳がバグる編曲も準備しております。どうぞお誘い合わせてご覚悟の上、ご来場ください。

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