《マショー3態》が再演されます@橋本晋哉チューバリサイタル
Trois Aspects de G.MachautGuillaume de Machaut (2010) will be performed again by Shinya Hashimoto and Akiko Fujita after the first performance. This is a piece for double-belled tuba and piano.
これまで幾度となく拙作を演奏していただいている、チューバの橋本晋哉さんのリサイタルが2月26日に開催されますが、私の旧作《マショー3態》が再演されるとのことです。
橋本晋哉チューバリサイタル6
2025年2月26日(水)19時開演(20時30分終演予定)
杉並公会堂小ホール
プログラム:
池辺晋一郎 《象的修辞法》 (1992)
西澤健一 《ハーゲシュトルツ》 (2001)
山本裕之 《マショー3態》 (2010)
木下正道 《不可視の絆の中の絆IV》 (2022)
佐藤昌弘 《アリエッタ》 (2023)
小倉美春 《そして私は、そのかけらを掴もうとした》 (2025)
※曲目は変更になる場合があります。
※障害者手帳をお持ちの方、高校生以下は無料です。
主催:哉企画(橋本晋哉)
企画制作協力:ナヤ・コレクティブ、カノン工房、合同会社モモ・カンパニー
2010年に橋本さんとピアニスト藤田朗子さんのデュオを私がプロデュースさせていただいた公演があり、《マショー3態》はそのために書き下ろした一曲です。
この時はとにかくチューバでできることをすべてやろうと考え、のちにシリーズ化することになった《輪郭主義I》や、シューベルトの歌曲の編曲、また私自身がステージに立ってチューバのベルにいろんなものを落としつつ音の変化をデモンストレーションする(いま思うと変な)パフォーマンス(なのでなぜか学生が意外とYouTubeで見ている)など、結構好きなことをさせていただきました。その中で橋本さんから「ダブルベルチューバができる」という話を聞き、実際に見せて戴きました。そういう楽器がある、というよりも、自分の楽器にもう一つのベルをイレギュラーに「挿す」ことにより、音の出口が二つ生じることになります。このダブルベルチューバについては最近、橋本さんがnoteで解説されています。
それを知ったが最後、私としても右から左に流すわけにはいきません。というより、一方の(この場合イレギュラーな)ベルにミュートを付けると、一つの楽器で二種類の音色が作り出せることになります。私の好きなやつです。
この「楽器」のために、中世アルス・ノヴァの作曲家、ギョーム・ド・マショーの有名なシャンソン等を編曲した《マショー3態》が生まれました。

ピアノも入れると実に三つの音色が使えることになります。15年ぶりの再演、ぜひお聴き戴きたいと思います。
フライヤーはこちらになります。チューバがお空に飛んで行きます。

ちなみに橋本さんは、やはり最近noteにチューバ現代曲レパートリーその3:山本裕之という記事を書かれていて、それによると私はチューバを入れた室内楽曲を6曲書いてるそうです。詳しい解説をありがとうございます。