《紐育舞曲》日本初演

New York Dance for piccolo, Bass Clarinet, Flugel Horn, Violin and Piano (commissioned by Music From Japan Festival in 2016), will be performed in Tokyo (Japan Premier).

ここのところ、毎月何らかのコンサートがあるのですが、

2016年にMusic From Japan Festival(MFJ)による委嘱でNYCで同年2月に初演された《紐育舞曲》(「紐育」は「ニューヨーク」と読みます)が、日本初演として7月6日にトーキョーコンサーツ・ラボで演奏されます。

Music From Japan Festivalは三浦尚之氏が「アメリカに日本の音楽を紹介したい」と1975年よりはじめられ、毎年NYCで開催されている息の長い音楽祭です。近年は日本の伝統音楽と現代音楽の二本柱でプログラムが組まれているのが特徴で、つまり商業的プロモーターがなかなか扱わない日本の音楽や演奏者を紹介する、という貴重な場でもあります。

《紐育舞曲》はピッコロ、バスクラリネット、フリューゲルホルン、ヴァイオリン、ピアノというどう見ても普通ではない編成の曲です。これはちょっと特殊な書き方で、通常ならまず作曲家の頭の中には楽器イメージがあってそれに合わせて音符を書いていくわけですが、この曲は基本的に楽器を想定せずに音を決めていき、後から「強引に」オーケストレーションしていく、という段取りで作曲してあります。この方法だと、まず楽器による制限から解放されて音を決めることができ、その後楽器に割り振る段階でオーケストレーションの「新たなアイデア」(音響、対位法など)を加味していくことになり、自分の意識的・無意識的な趣味や趣向を通常とは違った方向から実現していくことができるわけです。特殊な楽器を選んでいるのもその一環です。実は以前、もともとピアノ曲として書いた《東京舞曲》という曲を後からやはり室内楽に編曲した事があるのですが、この時に気付いたアイデアをこの曲では最初からピアノソロ版をすっ飛ばして書いてみたというわけです。

 

 

 

 

 

 

 

演奏は指揮の佐藤紀雄さんをはじめ、以前より都度都度私の作品に関わってくださっている方々なので既に安心しきっているのですが(笑)、フリューゲルホルンの佐藤秀徳さんははじめてご一緒させていただきます。とても楽しみです。なおサイトに詳しく書かれていますが、7月5日からMFJ関連のコンサートは東京・福島と数日に亘って開催されます。


音楽による出会い・日本‐米国‐カナダ ミュージック・フロム・ジャパン音楽祭・東京2018年 MFJ委嘱作品集・東京 II

2018年07月06日(金)18:00 開演 トーキョーコンサーツ・ラボ(東京メトロ東西線「早稲田駅」下車徒歩6分)
(17:30より楢崎洋子武蔵野音楽大学教授の基調講演)

坂東祐大:「シーソー」ヴァイオリン,ピアノと空間配置された 弦楽三重奏のための・・・(2016)
三枝成彰:「チェロ ’88」 (1988)  日本初演
福士則夫 :「満月の夜に ―女声と能管のための―」(2011) 日本初演
糀場富美子 「わだつみ」― チェロとピアノのための―  (2012)
山本裕之 「紐育舞曲」 (2016) 日本初演

甲斐史子(ヴァイオリン)*
大須賀かおり(ピアノ)*
城戸かれん(ヴァイオリン)
安達真理(ヴィオラ)
加藤文枝(チェロ)
堤 剛チェロ
青山恵子(声)
西川浩平(能管)
木ノ脇道元(ピッコロ)*
鈴木生子( バスクラリネット)*
佐藤秀徳(フリューゲルホルン)*
佐藤紀雄(指揮)*

*)山本作品

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