CD「輪郭主義」は、5月7日発売です

My portrait CD “Contour-ism” will be on sale soon!

CD「輪郭主義」は、5月7日発売です!

既に私の手元にはいくらかの在庫が届いています。レコーディングがわずか5ヶ月前だったのが、もう遠い過去のようです。「4分音の歪み」が鳴り響く8曲が収録されています。

ポートレートCDは2003年にfontec社から「現代日本の作曲家」シリーズで出していただいたことがありました。その時は既存録音を集めたものだったので、当時の私の作風を様々な編成で聴くCD、といった趣でした。

50代にしてはじめて「CDのためにレコーディング」したのが、今回のものです。しかも「輪郭主義」のシリーズのみ収録したため、4分音の曲ばかりが集まりました(私の近作でもすべてが4分音ばかりで書かれているとは限りません)。

したがって私の最近の傾向の、ある側面を映し出したのがこのCDというわけで、決して私がいつもこういう曲ばかりを書いているわけではありません。

とはいえ、「4分音のぶつかり」という現象に興味を持ちそれを作品に応用する、というこだわりを持った結果として8曲も集まってしまった(うち1曲は収録のための新作)のが「輪郭主義」であることも間違いないので、やはり私にとってここ10年ほどの核を成す作品群なのでしょう。

原則として作曲順に並んでいるので、この10年近くの間で私がどのように「4分音のぶつかり」を扱い、それがどう変化していったのかも分かっていただけると思います。

ところで「4分音のぶつかり」とは何かというと、「ピアノに対して他の楽器が4分音(半音の半分という極めて狭い音程)でぶつかると、ピアノの調律が狂って聞こえる」という聴覚上の錯覚です。こればかりでシリーズ8曲も書いてしまったのです(厳密にいうとシリーズ外で同じアイデアで書いた曲もありますが)。

CDの内容は、以下の通りです。


● 輪郭主義Ⅰ チューバとピアノのための
橋本晋哉(チューバ)、藤田朗子(ピアノ)
● 2 輪郭主義Ⅱ 事前録音されたヴィブラフォンとピアノのための
加藤訓子(ヴィブラフォン)、中村和枝(ピアノ)
● 3 輪郭主義・ミニ ヴァイオリンとピアノのための
佐藤まどか(ヴァイオリン)、及川夕美(ピアノ)
● 4 輪郭主義Ⅲ トロンボーンとピアノのための
村田厚生(トロンボーン)、中村和枝(ピアノ)
● 5 輪郭主義Ⅳ フルート、ヴァイオリンとピアノのための
多久潤一朗(フルート)、佐藤まどか(ヴァイオリン)、及川夕美(ピアノ)
● 6 輪郭主義Ⅴ フルートとピアノのための
ジョヴァンニ・マレッジーニ(フルート)、内本久美(ピアノ)
● 7 輪郭主義Ⅵ ピアノトリオのための
佐藤まどか(ヴァイオリン)、松本卓以(チェロ)、及川夕美(ピアノ)
● 8 輪郭主義Ⅶ クラリネット、バス・クラリネットとピアノのための
原田綾子(クラリネット)、鈴木生子(バス・クラリネット)、及川夕美(ピアノ)


それぞれの曲がどのような曲なのかも、いずれ詳しく書きたいと思っています。

ともあれ、このような形で私の作品集が残せるというのはとても嬉しいことです。何より演奏者の方々やコジマ録音の皆さんの、私の曲への深い理解があって作られたディスクというのが作曲家冥利に尽きるというものです(加えていうと、これを実現するために骨を追ってくださった私の職場の事務の方々も本当に有り難いのです)。

本当はCDリリース記念コンサートも開きたいぐらいなのですが、もう余力がありません(笑)。

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